今日の一本
『今日の一本』
…などと言って、日々葉巻を燻らせてはその日の味わいの感想を書き綴りたいものであるが、葉巻は高価な嗜好品である。一般人の僕には毎日プレミアムシガーを吸うなんてとてもじゃないが叶わない。いつかそんな日が訪れるよう夢を見つつ、今は週末に何を吸おうかと考えるのが楽しみである。
なので、今日は僕の『最初の一本』について書いてみようと思う。
誰かの名言に
「たばこは落ち着くために吸うもの、葉巻は落ち着いてから吸うもの」
というのがあるらしい。
形から入るタイプの僕の最初の一本は、週末の夜に、やることをすべて終え、グラスにスコッチ(ラムがなかった)を注ぎ、携帯の電源をオフに、という完璧なスタイルではじめた。(愚かなことであったが部屋で吸った)
最初の一本は『H.Upmann Vintage Cameroon Corona』だった。(※)
火のつけ方、吸い方はYoutubeでしっかり学んでいたので全然迷うことはなかったが、初めて袋から取り出した葉巻の感想は、、、
「なんか…臭い」
だった。根拠はまったくなかったが、もうちょっと樹木のようなそんな香りを想像していた。でも実際はもっと獣くさいような匂いで、とても良い香りだとは思わなかった。
でもまぁ、そんな自分は一旦誤魔化して火を付けて吸ってみた。すると…
まったく美味しさが分からなかった!
でも、たばこの煙とは全然違う味であることは感じたし、不味いとは思わなかったし、これはどういう味なんだろうと興味津々になっていった。
葉巻はたばこと違い、1分にひと吸いするくらいのペースがちょうど良いということで、ゆっくりと何回か吸っていく。すると、だんだんと気持ちが良くなっていった。
ああ〜いいな、葉巻。
心地いいな、この時間、空間。
最高の贅沢だな。しあわせ。
たばこは絶対ダメ!と決めつけていた僕にとって、
この背徳のような感覚と、道の世界へ飛び出した感覚と、、というかニコチンの効果によって、最高にその瞬間の幸福感に酔っていた。
ところでこの最初の一本、誰もが想像する葉巻のイメージにぴったりなサイズ感で、つまり太くて長かった。普段たばこを吸わない僕の、吸うペースが遅いということもあって、時間にして60分は吸っていたと思う。
気持ちよ〜く吸っていたが、途中から急に頭がクラクラして、もうまさに二日酔いの酷いバージョンのような感覚になってきた。
、、、そう、ニコチン酔いである。
もうそこから先は全然気持ち良さとか優雅な気分とかは一切なく、
なんかやばい、これ無理、もう寝るしかない、寝てこの辛さから逃げよう!
となったのであった。
これがある意味洗礼とでもいうべき経験であったが、良い気分を思い出して、ここから葉巻ライフが始まるのであった。
(※) 葉巻の通販サイトで入門セットを購入して入っていた一本。
H.Upmann Vintage Cameroon Corona
135mm * 18mm